【脳梗塞】会社の仕事に関わるのが最高のリハビリだった! 歩けるようになるまでのモチベーションの保ち方【真柄弘継】連載第10回 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【脳梗塞】会社の仕事に関わるのが最高のリハビリだった! 歩けるようになるまでのモチベーションの保ち方【真柄弘継】連載第10回

【連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ日記」163日間〈第10回〉

 

◆なぜ厚生労働省は医療現場の生の声、患者の声を真摯に聞かないのか

 

リハビリテーション病院を管轄する厚生労働省。

最近になり骨折患者の社会保険のリハビリ期間を1日3時間から1日2時間にしたそうだ。

年齢的に若ければ回復も早いから2時間でもいいだろう。

けれど高齢者は治りに時間がかかるからリハビリで回復しきらずに退院させられてしまう。

そのまま車椅子生活や、酷ければ寝たきり生活になる可能性もあるはず。

病気ごとに社会保険で賄う回復期間を決めているけれど、すべての病気がその期間で回復する訳じゃないのだ。

期間を減らすだけでなく、回復期のリハビリテーション病院を減らして、急性期(総合病院)の病院でリハビリを済ませようとする案もあるそうだ。

増大する医療費をなんとかしたい厚生労働省。

官僚たちが考えそうな安易な変更ではないだろうか。

社会全体で考えれば、寝たきりで生活保護で生き長らえる人が増えたら、抑制した医療費どころの金額ではすまない。

ならばリハビリテーション病院を充実させて、誰もがなり得る身体や脳が不自由な状態を、リハビリで回復を計り、自力で生活を営める人を増やすほうが、社会全体の福祉費の出費を抑える政策として、どれだけ若年層の負担を減らせることだろう。

病気にならないため予防の健康増進も重要だ。

けれどリハビリのようなケア対策も重要だ。

健康な人でも事故に遭ったり、脳卒中になったり、いつ何が起こるかなんて誰も分からない。

だからこそなってしまった時のケア、いわゆるリハビリテーション病院の重要性があるのではないか。

厚生労働省の官僚たちは理論理屈でなく、現場の生の声、脳卒中や事故、その他諸々の疾患で苦しんでいる患者の声を真摯に受けとめてもらいたい。

現役の脳梗塞患者である私の切なる思いだ。

 

今日も公道を距離を延ばして歩いた。

筋トレマシンに励み(日曜日から筋肉痛だけど)、杖を使わずに歩く練習をした。

メルツで積み木を掴んで離す練習もした。

リハビリはしっかり、廊下を歩くだけの自主トレも存分にした。

何事もくたくたになるまでやった1日だった。

 

この日記を本格的に書き始めたのは8月から。

7月で終了したST、いわゆる言語・聴覚療法のリハビリについて詳しく書き残しておこう。

 

高次脳機能障害の一つに失読症がある。

私は出版社でしか働いたことがないから、本が読めなくなることの辛さは想像を絶している。

考えるのも恐ろしいことだ。

集中力や注意力が低下して文章も書けなくなっていたら、復職の可能性はゼロとなる。

高次脳機能障害がないと結果が出たときは、心から安堵した。

ではどのようにして障害と診断するのか?

言語・聴覚療法士による様々な検査を1ヶ月ほど続けた。

検査の種類が多く、覚えている特徴的な検査を列記する。

 

2桁から9桁の数字を聴いて憶え、それを出されたのとは反対の順番で答える。

検査の時は車椅子に座ってはいるものの右半身麻痺の身体だ。

だから見る・聞く・話す、しかできない私はこれまでに無い集中力と記憶力を発揮して9桁の数字を憶え、出されたのとは逆の順番で答えたのだ。

これは二度と出来ないだろう。

 

言語・聴覚療法士が単語を言うので、それについてどのような意味があるのか答える。

・単語が何かの名称ならその名称が何を意味しているのかを答えたりする検査

・一般教養的な設問に答える検査

・用紙にアトランダムにある数字と平仮名を指示通りに線でつなぐ検査

・パソコンのモニターにアトランダムに表示される数字の中から、指定された数字が出たら指示の通りエンターキーを押す検査

・二つの絵を見比べて幾つかの間違いを見つける検査

・イラストの迷路を指示通りにスタートからゴールまで線を引く検査

 

まだまだたくさんの検査があったけど、もう憶えていない。

これらはIQも測っていたようで、全部の検査が終わり高次脳機能障害がなかったのと、IQが120(平均100)だったことで、喜びとともに自慢気な嬉しさも込み上げてきた。

 

高次脳機能障害は無かったから、車の運転に必要なドライブシュミレーターへ進みたかった。

けど右手右足が動かない身体で運転は無理となり、この時点で言語・聴覚療法のリハビリは終了したのだ。

 

 

■9月24日水曜日

タイムトライアル。

3分23秒。

 

この日記が某社のwebサイトでの連載が決まったのだ!

退院してからとなるが、これから日記を書くのと並行して、これまでの原稿を整理しなければならない。

歩く自主トレだけでなく時間をやり過ごせることが増えるから、ウキウキとした高揚感とともに変な力が入って歩きが危ないことこの上ない(笑)

朝一番の手のリハビリからお昼前の足のリハビリまで1時間40分も時間が空いている。

掲載用に過去の日記を整理してメールで送っていたら、いつの間にかリハビリが始まる時間目前で焦った。

昨夜は興奮で寝つきが悪く、なんだか睡魔が頻繁にやってくる。

午後一でお風呂に入り40分後のリハビリを待つまでのヤバいこと。

まだまだたくさんの歩行訓練をしなくてはならず、睡魔に負けるわけにはいかない。

回復途上だからなんとも言えないけど、この身体で生活をするうちに気楽に居眠りが出来る日が来るのか謎だ。

 

車椅子とお別れしてから大きく変わったことの一つに、パソコンでYouTubeを観ることや漫画サイトでコミックを読むことをしなくなった。

単純に時間をやり過ごしていたことが歩くことに集中したからだ。

この日記を書くのと、過去の日記を整理して掲載用にまとめるのにも時間が割かれていることもある。

身体の回復が遅れて、車椅子で時間を無為に過ごす虚しさが続いていたらwebで連載なんて気分ではないな。

出版関係者に知り合いがたくさんいて良かった。

 

この日記をとおして予期せぬ事故や疾患で身体が動かなくなったり、そういう人が家族にいたり、家族ではないけど身近にいたとしたら?

リハビリとはどういうものかを知ってもらいたい。

またリハビリテーション病院の存在意義を広く社会に知らしめたい。

webの連載はそのための最初の一手なのだ。

 

午後になり足のリハビリで公道を歩くことになった。

2階からトレーニングルームを通らず、そのまま正面玄関から出掛けた。

距離も昨日よりもさらに延ばして。

往復で20分ほど要したが、終始セラピストさんと話しながら歩いていた。

その内容は以下のような話だ。

何らかの疾患を持つ身体が不自由になった人は、ほぼほぼ「落ち込み期」というのがあるだそうだ。

期間は人それぞれだけど、そこから脱却して初めて回復期のリハビリに意識がいくらしい。

その話を聞いて、

はて? 私は落ち込み期なんてまったく無かった。お陰で回復期のリハビリに早い時期に取り組めたようだ。

人によっては落ち込み期で鬱になり、自ら命を断つこともあるらしい。

落ち込み期でなくても、回復が思うように進まなくてリハビリテーション病院を退院しなければならなかったら、社会に復帰できないと嘆き命を断つ人もいるだろう。

そんな辛く厳しい現実を踏まえたうえで、敢えて言う。

このような境遇になることは、いま健康に生きているすべての人たち全員が対象であることを強調したい。

だから健康な身体を維持してほしい。

 

先週の水曜日から杖で歩いているけど、体力は一朝一夕で戻ることはない。

すぐには寝つけないが今夜も19時に就寝。

次のページリハビリ病院の存在意義やセラピストの重要性を、周知させたい

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「日本は、国論分裂のままにいたずらに時間を食い、国家意志の決定と表明のタイミングの悪さや宣伝下手が災いし、結果的には世界トップ級の経済的貢献をし、汗も流したにもかかわらず、名誉を失うこととなった。

 納税者としては政治の要領の悪さがもどかしく悔しいかぎりである。

 私は「国力」というものの要件は経済力」、「軍事力」、そして「政治力」だと考えるが、これらの全てを備えた国家は、現在どこにも存在しない。

 (中略)

 そして日本では、疑いもなく政治力」がこれからのテーマである。

 「日本の政治に足りないものはなんだろう?」情報収集力? 国会の合議能力? 内閣の利害調整能力?  首相のメディア・アピール能力?  国民の権利を保証するマトモな選挙?  国民の参政意識やそれを育む教育制度?

 課題は随分ありそうだが、改革の糸口を探る上で、アメリカの政治システムはかなり参考になりそうだ。アメリカの政治にも問題は山とあるが、こと民主主義のプロセスについては、我々が謙虚に学ぶべき点が多いと思っている。

 (中略)

 本書では、行政府であるホワイトハウスにスポットを当てて同じテーマを追及した。「世界一強い男」が作られていく課程である大統領選挙の様子を描写することによって、大統領になりたい男や大統領になれた男たちの人間としての顔やフッーの国民が寄ってたかって国家の頂点に押し上げていく様をお伝えできるものになったと思う。 I hope you enjoy my book.」

(「はじめに」より抜粋)

 

◉大前研一氏、推薦!!

 「アメリカの大統領は単に米国の最高権力者であるばかりか、世界を支配する帝王となった。本書は、連邦議会立法調査官としてアメリカ政治の現場に接してきた高市さんが、その実態をわかりやすく解説している。」

 

 

ALL ABOUT THE U.S. PRESIDENTIAL POWER

How much do you know about the worlds’s most powerful person―the President of the United States of America? This is the way how he wins the Presidential election, and how he rules the White House, his mother country, and the World.

<著者略歴>

高市早苗(たかいち・さなえ)

1961年生まれ、奈良県出身。神戸大学経営学部卒業後、財団法人松下政経塾政治コース5年を修了。87年〜89年の間、パット•シュローダー連邦下院議員のもとで連邦議会立法調査官として働く。帰国後、亜細亜大学・日本経済短期大学専任教員に就任。テレビキャスター、政治評論家としても活躍。93年、第40回衆議院議員総選挙奈良県全県区から無所属で出馬し、初当選。96年に自由民主党に入党。2006年第1次安倍内閣で初入閣を果たす。12年、自由民主党政務調査会長女性として初めて就任。その後、自民党政権下で総務大臣、経済安全保障大臣を経験。2025年10月4日、自民党総裁選立候補3度目にして第29代自由民主党総裁になる。本書は1992年刊行『アメリカ大統領の権力のすべて』を新装重版したものである。

 

 

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真柄弘継

まがら ひろつぐ

現役出版局長

1966年丙午(ひのえうま)126日生まれ。

1988年(昭和63)に昭和最後の新卒として出版社に勤める。

以来、5つの出版社で販売、販売促進、編集、製作、広告の職務に従事して現在に至る。

出版一筋37年。業界の集まりでは様々な問題提起を行っている。

中でも書店問題では、町の本屋さんを守るため雑誌やネットなどのメディアで、いかにして紙の本の読者を増やすのか発信している。

 

2025年68日に脳梗塞を発症して半身不随の寝たきりとなる。

急性期病院16日間、回復期病院147日間、過酷なリハビリと自主トレーニング(103キロの体重が73キロに減量)で歩けるまで回復する。

入院期間の163日間はセラピスト、介護士、看護師、入院患者たちとの交流を日記に書き留めてきた。

自分自身が身体障害者となったことで、年間196万人の脳卒中患者たちや、その家族に向けてリハビリテーション病院の存在意義とリハビリの重要性を日記に書き記す。

また「転ばぬ先の杖」として、健康に過ごしている人たちへも、予防の大切さといざ脳卒中を発症した際の対処法を、リアルなリハビリの現場から当事者として警鐘を鳴らしている。

 

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  • 高市早苗
  • 1992.05.10